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RYOJI HASEGAWA データエンジニア
TAKUYA ODA データアナリスト
SUGURU ARAKI データアナリスト

2017年にリリースされたライブコミュニケーションアプリ『Pococha』。
着実にファンを増やし続け、特に2020年からのコロナ禍の影響もあり新たなコミュニケーションの場として急成長しました。
データドリブンな『Pococha』では、各施策の決定にはデータ分析がかかせないため、“データ”がその急成長の一端を担ったと言っても過言ではありません。

一方、その裏では、施策の振り返りや仮説検証等のための分析/レポーティングのニーズ・重要度が高まったにもかかわらず、その体制が十分でなかったために分析業務に滞りが生じていました。
そこで、課題解消に向け、データエンジニアとデータアナリストのスムーズな連携体制を構築。
毎日蓄積されていく膨大なデータをさばくため、エンジニアリングにより継続的なデータ改善の取り組みを開始しました。

当時の現場の状況や改善のステップ、そして更なるニーズが見込まれるデータエンジニアやデータアナリストという業種について、『Pococha』事業をデータ分析から支えるデータ本部所属の長谷川 了示、小田 卓也、荒木 優の3名に話を聞きました。

それぞれの役割「データアナリスト」と「データエンジニア」

story 07 pococha detail 01

荒木 優(以下、荒木)
DeNAに入社した2年前ぐらいから一貫してライブストリーミングの分析を担当していて、現在はデータ本部データアナリティクス部に所属しながらデータアナリストとして、『Pococha』を担当しています。

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小田卓也(以下、小田)
私もデータ本部データアナリティクス部に所属している『Pococha』のデータアナリストです。
データアナリストは、仮説検証や効果測定にあたり、導かれたデータを希望される方向性に則し分析し、次の施策に活かすなどのレポーティングを行います。

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長谷川了示(以下、長谷川)
私はエンジニアとして、データ本部データ基盤部に所属しています。
データアナリストがデータ分析をしやすくなるためのデータを整える、といった業務を行っています。
直近は主に『Pococha』やライブストリーミング事業を担当しています。

事業の急成長の裏で起こるデータ分析への負荷過多

荒木
長谷川さんにジョインしていただいたのは、2020年の夏あたりでしたよね。
『Pococha』が急に成長フェーズに突入した時期で。
その前までは小田さんと2人でなんとか対処していましたが、手が回らず対応しきれなくなってきた頃でした。

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小田
当時はアナリストとしての業務だけでなく、データウェアハウスの整備も兼務していました。
朝イチで分析に取り掛かろうとすると「ここの数字、壊れている。
何かがおかしい」という感じで、分析をしようとすることによってデータが壊れていることに気づく、という事態が多々ありました。

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荒木
例えば、急いで基盤を確認しに行くと、中間集計と呼んでいる生データからデータウェアハウスを作成しているパートが壊れていたりして。
午前中に僕がその修正作業をし、終わったら小田さんが正しいSQLを書き、その後やっと分析作業に入れる、という具合。

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長谷川
分析するための正しいデータかどうかの検証や使いやすい形への加工などは2人でやっていたんですよね。

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荒木
はい。
正直なところ、分析だけに集中できる状態ではありませんでした。
そこで、データを整えるデータエンジニアリング部分を厚くする、つまり、専門家の必要性がでてきたんです。

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長谷川
事業の成長スピードに合わせて、そういったデータを整える基盤へのサポート体制を徐々に整えるのが常ですが、『Pococha』は急激に成長したので、そこが整う前だった。
慌てて僕がアサインされたという感じですね(笑)。

データエンジニアリングが叶えた作業の効率化

story 07 pococha detail 02

長谷川
データエンジニアとして、例えば夜間バッチなどの処理でエラーが発生した場合、それを検知して業務開始時間までに手当てする、というようなところは仕組みもプロセスもノウハウ持っていたので、まずはそこから作業を始めました。

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荒木
それまではバッチ処理でデータが壊れている可能性を常に意識しながら仕事する必要がありましたが、一切の疑念なく仕事に向かえるようになったんです。
“分析業務に集中できる環境”を提供してもらうっていうところが即座にクリアされて、本当に感激しました。

第2段階は効率化でしたよね。
きっちり測定できないことなのであくまで体感ですけど、長谷川さんが中間集計あたりの仕組みを整えてくれたことで、生データからSQLを書いていた時と比較すると、作業時間が半減しましたよね。

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小田
例えば、サービス側が新しい機能をリリースして新しいデータソースが入ってくると、それをデータウェアハウスに転送する必要がり、以前はその設定作業に1〜2日かかっていたんです。
でも、長谷川さんに仕組みを作ってもらったことで、翌日には次の作業に入れるんです。
これはかなり時間短縮になりました。

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長谷川
具体的に言うと、バッチ処理を少しいじるだけで新しいものにも対応できるように変えたり、データウェアハウス側のデータの持ち方を効率的にしたり、という作業をしましたね。

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荒木
エンジニアが設定したらすぐに我々が使えるようなデータとなって転送されるような仕組みになり、びっくりするほどフロー効率が改善しました。

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小田
サービスから出てくる膨大なデータをテーブルに流し込む過程で、バグが発生することがあり、慎重に検証しながら作業していたのですが、その時間が、0分になったんです。
朝、分析に取り掛かろうとする段階でちゃんと必要なものが揃っている状態になりました。

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長谷川
改善作業はどうしても運用しながらになるので、どういう仕組みでシステムが動いているのかを理解しないと改善できません。
現状を理解しつつ作業を進めることが必要でした。

データ分析品質の強化が、より強い事業への足掛けに

story 07 pococha detail 03

荒木
その後に取り組んでいただいたのは、データ品質を強化する作業ですよね。

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長谷川
データの整合性がきちんと取れているか、意図したデータになっているか、といったことのモニタリングが定常的にできるようにしました。
直近では、抽出した生データが使いやすい形になっているか、きちんと使われているかなどをきちんとモニタリングする取り組みを行いました。
データウェアハウスとかデータマートなどの考え方を基に構築しました。

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小田
これらの効率化と品質強化で、レポーティングできる量が劇的に増えまました。
以前はレポートひとつ作るのに1日がかりだったところから、1日5〜10本つくれるようになったんです。

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荒木
そもそもDeNAの全社的な特徴として、データドリブンな傾向がありますよね。
その中でもPococha事業部はそれが色濃いんです。
新しい施策に取り組む前に、必ず仮説検証をしているんです。
どの施策も可能な限りデータによる検証をプロセスの一部にいれる姿勢があり、サービスの成長に伴って分析要請も本当に増えたんですよね。

検証速度に直結している、ひいては事業成長に繋がるのを実感していたため、フロー効率アップができたことで事業に寄与できている感覚は以前より増しました。

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小田
そうですね。
初期の頃は分析の依頼を受ける範囲が狭かったけれど、今は『Pococha』に関わる領域全てが入ってくるようになりました。
特に“振り返り”の材料に使われているようで、今後の戦略を立てる上で役立っていることを肌で感じています。

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長谷川
Slackや定例会議のやりとりを見ていると、ユーザー動向の少しの変化や数字の上下について、2人に見解を求める場面がとても多い。
直接データを扱う部門でない人たちも、データへの関心が高いのを感じますね。

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小田
今まではなかった、マーケティング部門からデータ分析を通しての意見を求められるようにもなりました。

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荒木
支援できる領域がどんどん広がっているのは素直に嬉しいですよね。
こんなことも分析できるんだということに気づいてもらえ、その後分析側のレスポンスが速くなっていた結果として、Pococha事業部のPDCAサイクルに追いつけるぐらい分析が入り込めた結果として今があるかな、と。

技術的負債を生まない。ナレッジの共有で全体の底上げを

story 07 pococha detail 04

長谷川
『Pococha』の基盤に関するドキュメントや仕様書、改善プロセスなどの記録はきっちり残しています。
エンジニアリングはその場で解決して終わり、じゃないんですよね。
持続可能な運用じゃなければいけない。
場当たり的な対応が後々もっと困難な事態を引き起こしたり、引き継ぎがされなかったことでどんな仕組みなのがわからず困ったり、という「技術的負債」が発生してはいけないんです。

障害対応など一部の業務は僕以外のメンバーでも対応できるよう、データエンジニアグループでも情報共有しています。

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荒木
確かに現在の状況は新入りスタッフにもやさしいかもしれません。
かつては共有できる情報がドキュメントとして存在していなかったし、システムを完全に把握していないと作業ができなかったんです。
なんせ情報量が膨大で……。
でも試行錯誤の末に使いやすい形に集約できましたし、今は全てを知らなくてもある程度の作業ができるようになったと思います。

「サービスに寄り添う」を体現。DeNAでデータを扱い仕事をするということ

story 07 pococha detail 05

小田
多様なデータを扱いながら事業の成長に寄与できる、こういったフェーズに立ち会えたことはデータアナリストとして本当に嬉しく思っていますし、データエンジニアが生む価値についてとても実感しました。
僕らの願いは「長谷川さんがあと3人くらいいてくれたら」なんですよね(笑)。

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長谷川
職種としてまだ新しいこともあり、データエンジニアの確保や必要性の啓発が追いついていないのは、世間一般に今の課題かもしれないですね。

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荒木
DeNAには全社的にデータドリブンの文化が根づいているので、分析業務は引く手あまたです(笑)。
自分の仕事が事業の意思決定の現場でどんどん活用されていくし、事業に寄与しているのを実感できる機会が多く、やりがいを感じています。

DeNAでデータ分析に携わるようになり、自分の整備したデータがさまざまな企画や事業の成長に直接関わっていることを実感できる機会が多くあるんですよね。

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長谷川
そうですね。
データ活用する土壌はすでに出来上がっているし、エンジニアとしての自主性も尊重されることで活動の幅が広がりました。

提供しているサービスのラインナップを見るだけで、扱うデータの種類も量も多いのはわかりますよね。
データエンジニア視点からでもかなりチャレンジングな経験ができているように思います。
とある課題に対し、最小の労力で対処できるよう工夫しながら作業する、さまざまな技術を組み合わせつつ効率よく課題を解決する、といったところを求められるので、培ってきた技術や経験、頭の使いどころなど試されることが多く、勉強になるし成長もできる環境だと感じますね。

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小田
そうですね。
DeNAでデータ分析をやるということは、サービスの理念などへの深い理解が必要とされます。
サービスをグロースさせていくというマインドを持ち、愚直に向き合える人にとって「楽しい」会社だと思います。

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荒木
超成長している事業に関わることになるので、事業環境がどんどんどんどん変わっていくため、自分の業務に線を引かない姿勢も求められますよね。
専門性や実際に作業ができるという強みを持ちつつも、それだけでなく、事業を成長させるためには何が必要かを自分の頭で考えられる、俯瞰でモノごとを見られるタイプのエンジニアやアナリストにとって、挑戦しがいのある事業やサービスが揃っていますよね。

『Pococha』も、海外展開などこれからもっと成長していきます。
私たちもデータを用いて今まで以上にそこに貢献できたら嬉しいです。

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